ラダーを作成した後は通常デバッグをします。デバッグするにもいくつか方法がありますが一番手っ取り早い方法はシミュレータを使う方法です。(最近は開発環境と一体化されているパターンが多いです)
パソコンだけあれば他の専用ハードは不要なのですぐにデバッグが可能になります。同じメーカーのPLCとタッチパネルであればタッチパネル側のシミュレータと連携する機能もあるので便利ですが、弱点もあります。
- パソコンの動作が重くなる (私はコレが一番イラッとくる。。)
- 複数CPUに対応できない (特にCPU間のリンク)
- スキャンタイムが遅い
※スキャンタイムは三菱限定かも?100ms固定となるので0.1秒クロックを使うと正常動作しない場合がある
なのでオススメはCPU(+電源)を机上確認用に準備してデバッグする方法です。必要に応じて複数台とPLC間リンクユニットが準備できればベターです。実物のCPUを使うのでパソコンが重くなることもスキャンタイムに悩まされることもありません、、がハードルもあります。
- 機材を揃えること(機種によっては意外に高いんだよなぁ~、コレが。)
- PLC側にシミュレーション用プログラムが別途必要
もちろん機材はタダではないのでいつも機材を揃えられるかは組織や環境次第かもしれません。制御盤に取付前のものを借りる、付き合いのある商社から借りる、オークションで入手する、などいくつか方法はあります。それなりの規模(?)でシステム構築している企業や組織の場合は机上確認用の機材にも予算を割いてくれる場合も多いので、それらしいタイミングがあれば是非とも入手することをオススメします。
シミュレーション用のプログラムは慣れれば比較的容易に作れるものの、実際の制御には不要なプログラムなので気が進まないかもしれませんし、”ムダ”といわれる可能性もゼロではありませんが実機材を使ったデバッグのほうがメリットは大きいです。PC+PLC(特に複数台)でシステム構築している場合は双方のデバッグ作業に使えるのでより大きな効果が見込めます。PCにしてもPLCにしても動作させるからこそ問題点も見つかりやすいですし、それによって完成度の向上につながります。
ぶっちゃけ、こういった机上での確認をやるかどうか。
その後の装置立ち上げや完成度に差が出るのは間違いない。
また、実機一発本番よりも事前にデバッグしておければ実機でのトラブル発生時にハード・ソフトの問題切り分けにも対応しやすくなりますし、何よりPLC側は多少無茶しようが何しようがモノを壊すことが無いので思う存分いじり倒し放題なのが最大のメリットです。
シミュレーション用のプログラムを作ることは手間ではありますが、作ることによって機器の取説を見直したり、本番のプログラムの間違いにデバッグ前から気付くこともあるので良いこともあります。
装置や使用する機器によってシミュレーションのプログラムが作りにくい場合もありますし、入出力のタイミングや異常検出まで100%模擬するのは不可能ですが、”なんとなくそれなり”に模擬できていれば十分なことも多いです。
ちなみにシミュレーションは所詮シミュレーションです。机上でバッチリだからといって実機でもOKにはなりませんので過信には注意です。
たまに、、
(実機を前にトラブっている状態で)シミュレーションではOKだったんですよ!
などと若干キレ気味にのたまうラダー屋さんもいますので。。
たいていは自らレベルが低いことを公言しているに等しく自分自身で気付いていない、場合が多いので要注意です。
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